誕生日は大切な日。
その人が、生まれてきてくれた嬉しい日。
特に今日は大好きな兄さんの誕生日だから、心からお祝いしたいなぁ…
「兄さん、お誕生日おめでとう!」
気に入って貰えるか分からないけど、兄さんの事を考えながら一生懸命選んだプレゼントを両手でしっかりと握り、
兄さんの居る部屋の扉を開ける。
「ん?どうしたんだ?」
物憂げな表情を浮かべる兄さんの顔が僕の方を向き、微笑に変わる。
何を考えてたの?
何が兄さんにそんな顔をさせるの?
僕じゃ無理かも知れないけど、でも、僕は兄さんの役に立ちたいよ…
それに、誕生日ぐらいは笑ってて?
「今日、誕生日だよね?プレゼント用意したんだ。受け取ってくれる?」
「あぁ、勿論。嬉しいよ、ありがとう」
先程の微笑から今度はしっかりとした笑いをしてくれて一安心だ。
作り笑いかな?
でも僕はそれでも嬉しいよ。
「開けても良いか?」
「うん!」
丁寧に包装紙を留めていたテープを外し、中の箱を取り出す兄さんの指は、ちょっとエロチックで…
兄さんは歩く成人指定なんだと思ってしまう。
「兄さん…」
無性に抱き付きたくなって、兄さんに抱き付こうとしたのに…
タイミング悪いんだよ、ナイトオブセブンっ!!
「ルルーシュ〜誕生日おめでとう!」
そう、突然部屋に飛び込んできたのはナイトオブセブン、枢木スザク。
しかも飛び込んできたらそのまま兄さんに抱き付くし!!
なんでこの人殺しとかなかったのかと今更思ってしまう。
「なんだ?スザクも祝ってくれるのか?ありがとう」
心なしか兄さんもさっきより照れてるけど嬉しそうだし。
僕は拗ねて良いかな?
「ルルーシュ苺好きでしょ?だから苺のケーキ買ってきたよ」
頬刷り寄せて兄さんに抱き付いてるし…
ムカつく!
「お兄様っ!!私をお忘れになってませんか?」
コトコトコトと近付いて来るは電動車椅子の音。
って事は……………………
「ナナリーじゃないか!?」
さっきより一段と嬉しそうだよ、兄さんっ!!
やっぱり僕じゃダメ?
僕じゃナナリーやナイトオブセブンの代わりにはならないんだ…
「どうしたんだ?おいで?」
少しずつ兄さんから距離が出てきていた僕に、兄さんが手を差し伸べてくれる。
「うん!」
その手が嬉しくて、嬉しくて…
兄さんの誕生日なのに僕が幸せになっちゃって良いのかな?
「せんぱーい!誕生日、おっめでと〜!!」
兄さんの手を握ろうとした瞬間、後ろから声とカメラのシャッター音がする…
ラウンズ…
何処まで邪魔したら気が済むの!?
しかも、これで終わりかと思ったら…
「ルルーシュ〜!!皆でお祝いに来たわよ〜」
生徒会ご一行来ちゃったよ…
「喜べ、来てやったぞ。ちなみにカレンも一緒だ」
「はーなーしーてっ!別にルルーシュの誕生日なんて祝いたくないんだからねっ!!」
また増えた!?
ピザ女と紅月カレン!
ツンデレは兄さんだけで十分なんだからね!!
「スザクはがりズルいっ!私もルルーシュに触りたいですわ!」
「だったら私も!!」
ユーフェミア皇女にシャーリー・フェネット…
なんで死んだ人まで居るんだよっ!?
ってそれは僕もだけどさ…
ま、兄さんが嬉しそうだし、どうでも良いや。
沢山の人に愛されて、沢山の人に祝われて、兄さんは幸せ?
兄さんが幸せなら僕も嬉しいよ。
だって自慢の兄さんだもの。
ハッピーバースデー、大好きな兄さん。
兄さんにとって良い年になりますように。
=END=
**あとがき**
遅くなり済みません!!
でも何だろうね、この滅茶苦茶加減(笑)
ちなみに、二人っきりのバースデー版なら誰何だろう?
スザクと?ロロと?もしくはジノ?
誰と18禁なバースデーするのかしらね(笑)
08.11.06